
死者たちを生前の行いのデータに基づき「成仏」か「暗黒の冥土送り」どちらかに振り分ける役割を担う場所。それが「死役所」です。基本的に一話完結型のストーリーです。主人公の「総合案内係のシ村」を中心に「死者たちのストーリー」「死役所の職員達」のストーリーを展開しています。
今回は第1巻の「あしたのわたし」という、「ネグレクト(育児放棄)」をテーマにしたストーリーを紹介いたします。
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Contents
死役所第1巻「あしたのわたし」の登場人物とあらすじ
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小野田凛(おのだ りん)幼稚園児の子供。
母親である瞳と二人暮らし。母子家庭。
心優しい女の子だが、ネグレクトにより亡くなる。
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小野田瞳(おのだ ひとみ)凛の母親。
職業不詳。かつては凛に愛情を持って接していた。
現在は奔放(ほんぽう)な男遊びに走っている。
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先生(名前は不明)
凛の通う幼稚園の先生。
優しくて子供思い。不可解な傷がある凛を心配していた。
死役所は生前の死因のデータによって適切な課に行きます。病死ならば「病死課」に。自殺なら「自殺課」に。そして、この物語のメイン、小野田凛ちゃんは死役所の他殺課担当のイシ間さんの元に訪れてきます。
人情が厚く涙もろいイシ間さんは幼稚園生の凛ちゃんが来たことに驚き、「お嬢ちゃん。本当にウチの課なのか?」と聞きます。こんな小さい子供が自分の課に来る事が驚きだったのでしょう。主人公のシ村いわく「自然と足が赴(おもむ)いたんでしょう」と言います。
他殺課に子供が来る事はそうある事ではありません。凛ちゃんのとてもほがらかな性格に思わず涙してしまうイシ間。お母さん思いで優しい凛ちゃんはなぜ他殺課に来たのか・・・・
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死役所第1巻「あしたのわたし」の内容ネタバレ
幼稚園に通う凛ちゃん。いつも「あしたのわたし」というタイトルの絵本を持ち歩いています。幼稚園児というと、自分の思うがままに物を言う事が多いですね。凛ちゃんのクラスメイト達は優しい「先生」にいつも遊んでほしいとせがみます。
とある時、生徒の一人が
「あそぶのが先生の仕事だろー」
と言われるが、「遊ぶのだけが仕事じゃない」と反論する先生。
すると凛ちゃんは
「じゃあ凛、先生の仕事のお手伝いをする。そしてら皆で遊べるよ」
と言います。まだ全然小さい子ですがちゃんと人の気持ちを分かって物事が言える素晴らしい子です。そんな凛ちゃんに先生も嬉しい表情を浮かべます。
しかしとある時、凛ちゃんがクラスで転んだ際、傷がないか先生がチェックします。
すると、先生は凛ちゃんの首にアザが出来ているのを発見してしまいました。
不思議に思う先生。
お母さんとどんな感じかを聞くと、「お母さん、優しいよ」とだけ答えます。
家に帰ってくる凛ちゃん、奥で母親の瞳はグースカ寝ています。
寂しい表情を浮かべる凛ちゃんは、「あしたのわたし」を朗読しはじめます。
すると、母親から「うるさい!!!」と一言。
シュンとなる凛ちゃん。場所を変えて読み始めるが、朗読の声がやはり聞こえてしまうのか、母親の瞳がキレ始めます。目覚まし時計をわしづかみにし、凛ちゃんに投げつけます!
「うるさいって言ってんだろ!本くらい声出さずに読めるだろ!起こすんじゃねぇよ!!こんな本!!!」
そう言いながら本をとりあげた瞬間、凛ちゃんは
「ごめんなさいお母さん!静かに読むから本返して。凛の本なの・・・」
と必至に訴える。
すると、凛ちゃんの片手を掴みベランダまで連れていき、そのままベランダに凛ちゃんを放り投げた。そして、無造作に凛ちゃんに向かってお気に入りの本を投げつけて内側から鍵をかけ、凛ちゃんが部屋に入ってこれないようにしました。
この時はちょうど真冬の時期です。ベランダに出された瞬間からブルブル震え始める凛ちゃん。母親の瞳は寝始めた。
すると程なくして、家のチャイムが鳴りました。凛ちゃんを心配した幼稚園の先生が凛ちゃんの家を訪ねてきました。
お母さんに話を聞きに来たのです。
何も反応が無いので、アパートを後にする先生。しかし、外で先生が別の先生と話している声が凛ちゃんのいるベランダから聞こえてきます。普通ならば、真冬のベランダに閉じ込められている状態を先生に伝えて助けを求めるのが普通だと思います。
しかし凛ちゃんはこう思いました。
「お母さんが先生に怒られちゃう・・・・お母さん出ないで!!!」
あきらめてアパートを後にした先生たちを見てホッとする凛ちゃん。
そして、しばらく外に放置される凛ちゃん。寒さのあまりおもらしをしてしまいます。
そのタイミングでちょうどベランダの鍵を開けて様子を見に来た母親の瞳。
「なに・・・おもらししたの?悪い子だね。反省してな」
引き続き鍵をかけて飲みに出てしまいました。
時は経って夕暮れ時。
先生は自宅で凛ちゃんの首のアザの原因を調べていました。
テレビがつけっぱなしの状態で、ニュースがやっています。テレビの中のニュースキャスターが「凍死」について語っています。
「例えば寝ている間におもらしをしてしまうと濡れたところからどんどん体が冷えていきます。家の中だって凍死する事があるんですよ」
という内容です。
夜になっても母親は帰ってこない。凛ちゃんは一人ベランダで震えながら死にそうな表情で絵本を読んでいる。同じ内容の絵本を繰り返し繰り返し読んでいる。読んでいる内に、母親の瞳との昔の記憶を思い出し始めていた・・・・・
- 一緒に仲良く夕食を食べた記憶
- 一緒に仲良く銭湯に行く記憶
- 凛ちゃんの誕生日に「あしたのわたし」の絵本を買ってくれた記憶
場面は変わり、母親の瞳のシーン。
遊び相手の男「いいのー?娘さん待ってんでしょ?」
瞳「いいのいいの!あの子しっかりしてるから!」
遊び相手の男「あっそー。んじゃあ朝まで楽しんじゃおー♡」
再び場面は変わり凛ちゃんのシーンに。
凛ちゃん「あしたの凛は・・・お母さんと一緒・・お母さん・・・大好き・・・・・」
これが凛ちゃんの人生最後のセリフとなりました。
翌朝、凛ちゃんを迎えに来た先生。
全く反応がないチャイムだけが虚しく響きます・・・・
場面は変わり、凛ちゃんの葬式へ・・・
遊び相手の男「大丈夫?警察に疑われてんでしょ?」
瞳「躾のためって言っときゃ済むでしょ。だってあの子ホントに聞き分け悪かったし。それよりさー、お荷物なくなったから結婚してくれるよね?」
遊び相手の男「え・・・あ、ああ・・・・」
泣きながら怒りの表情を浮かべている先生。手には白いハンカチを力強く握りしめている。
こらえきれずに瞳のもとへ行き、バチーーンとビンタを一発!!
先生「凛ちゃんはあんたのことやさしいっていつも言って・・何であなたみたいな母親が凛ちゃんを・・・!!」
瞳「馬鹿かテメー!あたしのものなんだよ凛は!」
するとそこに警察が・・・
警察「小野田瞳さん。小野田凛さん◯害の容疑で逮捕状が出ています。」
動揺する瞳。ならば自分の頬をビンタした先生を傷害罪で捕まえろと訴える瞳。
瞳「そうだ、この女も逮捕してよ。傷害でさ。あたしのこと叩いたの。ここ!こっちの頬!!」
警察「悔やまれますよ。叩いた時点で逮捕しておけば凛ちゃんは◯なずに済んだのですから・・・行きましょう。」
そして、凛ちゃんは死役所へ・・・
最後まで母親を愛した凛ちゃんに対するシ村の意見
まだ小さい凛ちゃんが死役所に来てしまう事に疑問を抱くイシ間。
イシ間「しかしお嬢ちゃん。◯されてまでよく母親をかばうよなぁ。俺の母親もどうしようもない女だったけど。あそこまでかばうなんざできねぇよ。あれが愛ってのかねぇ?」
シ村「いえ、ただの洗脳でしょう」
イシ間「あんたうまい事いうねぇー」
シ村「ありがとうございます」
イシ間「今度は本気で愛してくれる良い母ちゃんに会えると良いな」
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死役所1巻「あしたのわたし」の感想
内容があまりにも現実的すぎてビックリしました。
母親の瞳もまた愛情に飢えていたのかな〜という気がしますね。
そして、シ村の「いえ、ただの洗脳でしょう」のセリフが妙にずっしり来ます。確かに、あの辛い状況下においては過去の良かった頃の記憶にすがるしか生きる道がなかったのかもしれませんね。
実際、周りから見たらどう見てもおかしな状況でも、当の本人からしたら感覚がすでに狂ってしまうという事はありそうかなと。この話もそうなんですが、死役所は本当に内容がリアルなので、いつの間にかコミック1冊をスラスラと読めてしまいますね。
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死役所の掲載誌や最新刊の発売スケジュールは?
死役所は月刊コミック@バンチにて今現在連載中です。
なお、連載誌である「月刊コミック@バンチ」は毎月21日発売。
これまでのコミックスの発売の流れは以下の通り。
第一巻 | 2014/04/09 |
第二巻 | 2014/09/09 |
第三巻 | 2015/03/09 |
第四巻 | 2015/09/09 |
第五巻 | 2016/02/09 |
第六巻 | 2016/07/09 |
第七巻 | 2016/12/09 |
最新刊の発売はおよそ5、6ヶ月間隔である。
死役所は試し読みができる?
死役所は基本的に一話完結型で終わる場合が多いため、作品としての派手さにはやや欠けます。
しかし内容は本当にリアリティに溢れており、時には本当に現実世界にもこういう事があるんだろうな・・・
そんな風に思わせる残虐性もあるため、場合によってはショックを受けるかもしれません。
なので、まずは試し読みから入ってみたい!という方には朗報なサイトがあります。
booklive!という電子書籍専門のサイトにて、ネット上で「死役所」を立ち読みする事が出来ます。
サイトの検索窓で「死役所」と入力して頂くとすぐに見つかります。
そして「試し読み」という選択があるので、そちらから無料試し読みをして下さい。
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気になる方はぜひ一度チェックしてみて下さいませ。
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